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2003年の夏を過ごして 暮らしから   本質を暮らす贅沢な家より

2003年の夏を過ごして

〈暮らしから〉

前項ではデータから一昨年の夏の生活を振り返ってみたが、今回は生活実感から思い起こしてみた。
とにかく蒸し暑い夏であったという感が強い。それも暑さよりは湿度の高さに悩まされたという印象である。
それはこれまでのエアコン頼りのマンション生活に関係していると思える。
何せ朝の食事の時間からクーラーが必要だった。
クーラーなしでは汗まみれで食事の支度すらままならない状況であったし、台所は独立した空間のため食堂と合わせて2ヶ所は同時に付けていた。
マルチ型エアコンが2セット設置され7ヶ所でクーラーが使えるマンションであり、夜は4ヶ所くらいで同時に稼働していることも普通であった

その当時からクーラーの不自然な冷たさや風は嫌であったが、その除湿能力は必要であった。
とはいうもののマンション生活ではエアコンのドライ回路だけでは暑く、やはりクーラーでガンガン冷やすという使い方をせざるを得なかった。

仮住まいでは超さむ-い生活だったことは報告しているが、残念ながらその50年経過した淵酒な日本家屋での夏は経験せずに尾山台の家に6月末に移り住んだ。

引越しのバタバタがやや落ち着き始めるとともに夏を迎えることになった。
8月中旬までエアコンを使わないと決め、生活をスタートしたため、あらためて日本の高温多湿の夏をそのまま素直に体験し、クーラーなどなかった子どもの頃の生活を思い出されるという経験でもあった。

尾山台の家は、徹底的に日射遮蔽ができる開口部、ほとんどの開口部は防犯上も雨の浸入にも安心して開放できる、そして、オープンな間取りで風通しは抜群、さらに、床・壁・天井、下地や構造には吸放湿能力の大きい材料をとことん使用、当然ながら、床下や内壁空洞など処えない所の風通しも抜群のPAC、と建築的手法の工夫が十二分に施されている。

1/fの揺らぎのシーリングファン1/fの揺らぎのシーリングファン

リビング上の吹抜けにシーリングファンとエアコン、寝室奥収納スペースにエアコンを付けた。
井戸水利用のかくれん房の実験もしたが、前項で述べたように井戸水の温度が高く実用性はなかったのでここでは触れない。

わが家の子どもたちは柴と甲斐、日本の犬族は寒さに強いが暑さに弱い。
暑い真昼に留守を預かる子どもたちのため、自然にいかに過ごしやすくできるか知恵を絞った。

太陽を思い切り入れてしまってはどんな工夫も役には立たない。
夏の日差しは厳しい、早朝から東の開川部を襲い、時間とともに南そして両の開口部を攻撃する。
建物の方位次第では北側の開口部も例外ではない。
幸い尾山台の家では方位のずれは僅かで北側開口部からの日射は無視できるレベルにある。
天窓も北側3ヶ所と西側に1ヶ所設けたがこれらも含めて日射遮蔽は十分にできる、当然、朝から日差しを遮った。夏の光はきついが遮ることで光りが半減し落ち着いた明るさ、雰囲気になった。

1/fの揺らぎのシーリングファン1/fの揺らぎのシーリングファン

そうした中で、8月中旬までエアコンを使わず風通しとシーリングファンで過ごした。
快適さは外の状態すなわち温度や風、湿度に左右される。
尾山台の家はデータにもあるように外気の最高よりもかなり低い、当然、温度よりは湿度の影響が大きかった。
気温が高くても湿度が高くなければさわやかに過ごせたし、また、多少湿度が高くても尾山台の家は湿気を調整できる大量の素材で構成されているため不快感は少なかった。
しかし湿度99%が1週間近くも続く時もあり、さすがにベトベト感は免れず8月中旬からはエアコンの除湿機能、ドライ回路を使用した。

使用基準は簡単だ。窓を開けた方が気持ち良ければ窓を開け通風を計る、閉じてドライ回路を使った方が気持ち良ければスイッチONとする、とした。

この夏の帰宅時間はだいたい9時過ぎ、10時をまわることも珍しくはなかった。
帰ってから手分けして子どもの散歩と食事の支度。1時間後には子どもたちと遊びながらテレビも見ながらのにぎやかであわただしい晩餐が2時間程度は続く。

エアコンはリビング上部のロフトに設置され、2階の空間だけでも35畳ほど、さらに階段を通じ1階につながっている。相当に広いといえるが、十分にさわやかな空間が得られた。シーリングファンの効果も大きかったと思う。

晩餐が一段落すると子どもたちを玄関に下ろし、しばらくケージに入れて落ち着かせる。その間順番にシャワーを浴びて就寝の準備。二人とも夏はシャワーだけ。

無垢の木と漆喰、調湿性の高い寝室

ロフトのエアコンは切り、寝室奥収納スペースのドライ回路をONにする。
もちろん、気持ちが良ければ寝室の窓を開けて風通しのみで寝る。
夏、ドライ回路を使う時は洗面室の引戸を閉じ、浴室と洗面の窓は開けておく、この窓は昼一間もほとんど開放状態である。

そして二人の就寝直前に、子どもたちのケージを開き、玄関・階段・2階を開放する。
2階の窓も一部開放し通風を計っている。スーパー越屋根換気口を利用した室内換気もオープンである。

久々に自然の風が吹き抜ける中で寝る日々。外の湿度が低い時はこれに勝る気持ち良さはない。シァワセー。

湿度が高いとベットの中でも汗をかく、汗も大量だとさすがに不快感は免れないが、うっすらとかく汗は風に当たると気持ち良さを呼び込む。

しかし、湿度が高くムシムシしている8月中旬以降はエアコンのドライ機能を使った。
エアコンは風がダイレクトに当たらないように離れた所に設置し、間接的にきくようにした。
これは大正解だった。裸で寝ていても感じるのは微風、しかもさらっとさわやかである。


風通しのいい家 夜の外気の涼しさを翌日に持っていくパッシブソーラーPAC住宅。
尾山台の家
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