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家を育てるたのしさを味わいました

家を育てるたのしさを味わいました

東京都Fさん 2002年建築 

家の顔というものを考えてみた時、間取りや内装、インテリアが家の中の顔だとすると、外観や外構は外の顔になるでしょうか。
わが家の外の顔で一番印象的なのは、何といっても2階のリビングから掃き出し窓でつながる木製のベランダ。
南西向きで日当たりも良く、大好きな薔薇や草花の寄せ植えなどの鉢を、いくつも並べて償いています。
大好きな薔薇
ここは物干し場として生活に必要な場であると同時に、家族にとっては小さな庭のような、欠くことのできない癒しの空間にもなっています。

「気持ちがいいからお外で食べようよ。」
娘たちにせがまれて、春や秋の過ごしやすい季節は、小さなテーブルをベランダに出し、外の空気を一杯味わい、目に映る緑をたのしみながら、軽食をつまんだことも何度もありました。

夏の容赦ない強い日差しや、風雨の影響を一番に受けてきたためでしょう。
家が完成して1年余り経った頃、ベランダの床面の塗装がだいぶ落ちてきて、渋い色合いも白っぽくなり、擬水性も落ちて雨上がりの水も乾きにくくなってきました。
そろそろ再塗装の時期が来たようです。大がかりな日曜大工をしたことがなかったのですが、DIYに詳しい知人に相談したところ、自分たちで塗り替えをやってみたらどうかとアドバイスされました。

私たち家族は家づくりの時も、自分たちの家の柱や梁になる材木を見に行ったり、みんなで玄関のたたきにビー玉を埋めたり、また家が完成してからもn分たちで駐車スペースの舗装したりと、できる範囲で自分たちの手を加え、家とのかかわりを大切にしてきました。
不安はありましたが、思い切ってこのベランダを自分たちで塗り替えることにしました。
年の瀬も近づいた慌しい時期でしたが、ベランダの薔薇の成長が止まる冬のこの時期が、鉢を動かすにはタイミングが良く、日程も決定です。

最初に、間く絞った雑巾で水拭きし、汚れをざっと落とします。
その後、電動やすりを使い今まで塗られていた塗料を削り取っていきます。
電動のやすりで削りにくい場所は、目の粗い紙やすりを使って丁寧に。
想像以上に時間がかかりましたが、何とか第一段階の作業を終えると、木の本来の色と香りが現れました。
やすりがけですべすべになった木肌を見ると、塗装がたのしみになってきました。

そしていよいよ塗装作業。
さらっとした塗料は刷毛に付けて塗ろうとするそばから、ぽたぽたと垂れてしまうので、気をつけながらの作業。
床面と手摺り部分が終わる頃には、すっかり日も沈んでいました。

大変だったのは床面の裏側とベランダを支える柱を塗る時。
足場の悪い所に大小二つの脚立を立て、垂れやすい塗料を加減しながら刷毛に付け、上を向いて。

晴れの1日だったとはいえ、さすがに12月、日が落ちるとだんだん身体の芯から冷えてきて、刷毛を持つ腕が高く上がらなくなってきます。

「あともう少し、もうひと頑張り。」
夜9時過ぎ、作業時間約12時間でようやく終了。
素人の仕事ですから、多少の塗りむらはありますが、カンテラの小さな灯りに照らされたベランダは、すっきりした顔をしていました。

1週間後、傷みやすい床面のみ二度目の塗装を済ませ、きれいになったベランダを眺めつつ新しい年を気持ち良く迎えることができました。
自分たちの手でできるか心配だったベランダの塗り替えでしたが、大仕事をした達成感を得ることができた本当に貴重な体験でした。

薔薇を育てる

薔薇を育てることのたのしさをおぼえたのはマンション住まいの時から。長女が生まれた年から育てている薔薇は10年近くになりましたが、この家でも花を咲かせてくれています。

今の住まいでは、境界フェンスや壁面にツル薔薇を這わせることも始めました。冬の間にツル薔薇の古くなった不要な枝を払い、春の姿を思い浮かべてあれこれ悩みながら、夏の間十分伸びた新しい枝を麻紐でワイヤーに誘引していきました。

そして迎えた春。壁而に見事に200個以上の花が咲き、ひと月近く美しい番蔽の花色と香りをたのしむことができました。

「きれいですね。」「お手入れの賜物ですね。見事ですね。」
外に出て薔薇の手入れをしていると、ご近所だけでなく、通りすがりの方にも声をかけられ、ずいぶん褒めていただきました。

中には普段通らない道だけれど、薔薇を見るのがたのしみだと、わざわざ遠まわりしてくださった方もいました。
こちらが想像していた以上にたくさんの人が普蔽を眺め、たのしんでくれていたようです。
薔薇の家
少しずつ街の風景の中になじんできたわが家が、いつしか通りがかりの人の気持ちを潤し、ゆたかにできたらと思います。

家の外にも心が向かっていくのは、家の中にいてゆたかな気持ちになれるからかも知れません。
広がり空間の間取りや木の香り、柱や床などの自然素材の持つ感触の良さが素晴らしく、視覚、喚覚、触覚と、まさに五感で感じる家だと思います。

これはPAC住宅に住まれた方が皆さん感じていることではないでしょうか。
ほんの2,3日でも家を空けて帰ってくると、玄関を開けた途端、心地良い木の香りが出迎えてくれ、普段もずっとこの香りにつつまれて暮らしていることをあらためて感じます。

そして思うのは家は建てておしまいではないということ。

こうして住む人が手をかけてあげることで、家は成熟していき、その家らしい雰囲気が出てくるのではないでしょうか。

これから先もずっと、家族も家も一緒に成長していけたらいいなと思っています。

家と薔薇を育てる





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