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PAC住宅だからこそできる画期的ホウ酸によるシロアリ対策

PAC住宅だからこそできる

画期的ホウ酸によるシロアリ対策

 

PAC住宅が、ホウ酸によるシロアリ対策をみいだしたのは、アメリカカンザイシロアリの出現による。

前にもお伝えしたが、アメリカカンザイシロアリは乾燥した材木に巣食う。ヒノキも大好きときている。

従来の湿気を好む日本のシロアリとは正反対である。

PAC住宅は、床下や壁の中そして天井裏の空間に空気をいつも流していることによって温度や湿度の調整をしているパッシブソーラーハウスである。

土台や柱、梁ばかりかすべての構造に係わる木材が、流れる空気にふれていることによって、それら木材の含水率が10%から15%程度に落ち着くことが長期に亘る大学機関の計測でも明らかになっている。 

木材の含水率がこの程度を保っているという事は、木造住宅の骨組みがいつまで健全であり、人間であれば決して骨粗鬆症にはならないということである。 

そうしたことを背景に、PAC住宅では1994年から薬剤による防蟻処理を廃止してしまった。床下の防湿対策をきちっとする、ヒノキや杉などの芯もち材などしっかりとした木材を使う、そしてそれらが常に流れる空気にふれているというPAC工法の組み合わせで乾燥状態を保ち、結果、それがシロアリ対策のもなっていた。事実、シロアリにやられてしまった深刻な被害は報告されていない。

 

そこに、アメリカカンザイシロアリの出現。

アメリカカンザイシロアリは、乾燥を好む。乾燥した木材の中に巣をつくり、そこで繁殖し、次々に巣を増殖していく。ヒノキや杉も大好きだ。

住まい手が気づいたときには、巣が何10か所もということもある。知られていないだけに、とても気づきにくく、事前の対策も難しい。 

そしてホウ酸との出会い。

ホウ酸の安全性とその効果はすぐに理解できたが、PAC住宅へのより効果的方法が何かあるのではないかとの模索が頭の中で始まった。

ホウ酸の一般的処理は、水溶液の散布ないし塗布、アメリカカンザイシロアリには17%程度、日本のシロアリには20%程度に薄めて使用する。 

そうしたある日、ホウ酸の先駆者である浅葉健介さんに、こんなこともできるんですよと、ホウ酸の原末それは粒子の小さい白い粉をコンプレッサーで吹いてみたら、すごい勢いで噴出した話をきいた。

次の日、その話が頭の中でよみがえり、あるアイデアがそれこそ噴出した。新幹線の中であった。

 

PAC住宅の床下空間と小屋空間で、そのホウ酸の原末を噴出すれば、PAC住宅の躯体内空間の空気の流れにのって、全ての木材にホウ酸の原末が付着するのではないか、との発想にいたった。 

躯体内空間とは、下から見ると、床下空間、一階の内壁空洞、次に一階と二階の間のふところ空間、そして二階の内壁空洞、最後に天井裏である小屋空間である。PAC住宅は、この空間が、すべて空気が流れるようにつながっている。この空間を、躯体内空間と呼んでいる。

そして重要なことは、この躯体内空間に住宅の骨組みを構成するすべての木材があるということである。

土台、大引、根太、柱、間柱、筋交い、石膏ボードの下地木材、梁、桁、天井下地の材木、母屋、屋根垂木など、木造住宅を構成するに必要な木材が、本当にすべて存在している。 

この全ての木材に、ホウ酸を付着させることができる方法が見つかった瞬間である。木材の表面は四面で構成されるが、流れる空気にふれる面は三面ある。それらすべてにホウ酸が付着できる。 

もうお気づきかもしれないが、この方法であれば、PAC住宅であれば新築ばかりか、既存の建物にできる。現に新築のPAC住宅でも、完成後にホウ酸処理をしている。 

建て主の協力を得て、浅葉さんと一緒にホウ酸の原末が、実際に躯体内空間を回り、くまなく必要以上の濃度で付着しているかの実験をしてみたが、何らの問題はなく、想定通りの成果を収めた。 

以降40棟あまり近くの既存PAC住宅に実施している。 

水溶液と違って、100%のホウ酸の原末である。

アメリカカンザイシロアリばかりか、全てのシロアリそしてゴキブリ、クモ、昆虫類に効く。そしてその効果は永続する。

当然、完成後であるから雨に濡れて流れてしまう事もなく、木材のざらざらした表面に付着しはがれることはない。天井や床下の面にも、ホウ酸の粉が積もっている。 

PAC工法の最大の良さは、建物を構成するすべての木材が、常時、流れる空気にふれている所にある。

その空気の流れを、夏と冬に切り替えることによってパッシブソーラーを成り立たせ、同時に乾燥状態を保ち、木材を守っているのだが、その躯体内空間を常に空気が流れているという性能のおかげで、今回の画期的ホウ酸対策が生まれたわけである。

 

次からは実際にホウ酸処理をしたPAC住宅の施工現場からのレポートをいくつか紹介していきたい。

 シロアリのホウ酸処理の先駆者 浅葉健介さん 日本ボレイト株式会社